2015年10月29日 12:15
三重県四日市市智積町の「智積養水(ちしゃくようすい)」は、江戸時代に本格的に敷設された灌漑(かんがい)施設で、隣町の三重郡菰野町神森にある湧水池・蟹池の水を貰い受け、用水路で智積町に引き入れて水田約50町歩(50ヘクタール)を灌漑しています。 智積養水路の全長は1,784メートル、幅は1~2メートルあります。
(註:「灌漑(かんがい)」とは、田畑に水を引いてそそぎ、土地をうるおすこと)
この智積養水のお蔭で、現在も智積町の稲作収穫量は安定しています。また戦後30年代頃まで、住民は毎日この清流で顔を洗い、米をとぎ、麺をさらし、野菜を洗うなど水の恩恵をいっぱい受けてきました。そのため何時からともなく、水田を潤し人々を養う惠(めぐみ)の水に対して「養水」の文字を当てて感謝の気持ちを込め、そして年に数回の水路清掃も怠りなく、世代から世代へ脈々と大切に守り受け継いできました。