右斜め　45度

　「おじさん、友達と釣りに行きたいんだけど、一緒に連れてってくれる？」

　日曜日の朝一の電話がこれでした。
　本当はオートバイに乗ってみるつもりでしたが、うーん、しょうがないです。釣りにしましょう。

　で、何時から行きたいの？
「えっと、2時に友達が家に来るから、それから行きたい。」


　じゃあ、その前に、ちょっと走りに行って・・・・





　時間通り、2時に迎えに行くとすでに準備万端で待っていた甥っ子とその友人。いかにも舞阪らしい、いたずら小僧が二匹そろいました。餌を買って、先週と同じ今切れ口へ向かいます。

　風が思ったよりも強いので、今切れ口での釣りはどうかなと思いましたが、甥っ子の友人が持ってきたのが、2.7ｍのノベ竿。うーん・・・マニアック過ぎ。じゃあ、手前から探って連れる場所は、と結局今切れ口。









　二人の竿の準備をし、勝手に釣らせてから自分の準備。
　とりあえず釣る前の注意事項。
「先に竿を出している人の仕掛けよりも前に、仕掛けを入れるな。あと、すぐ隣に仕掛けをいれるな。」

　後は、ほっときます。



　さて、さっきまでバイクに乗っていたので、ここで昼食。











　Yショップ舞阪港店で購入した、知る人ぞ知る美味しいサンドイッチ。ゆっくり味わいながら、のんびりと日曜日の午後を楽しみます・・・のはずが、「おじさんっ！釣れた！」。友達が早速釣り上げました。

　じゃあ、魚をとってバケツに入れて。
　「僕、魚さわれない・・・・」
　さわれないじゃない。タオルで魚を掴んで、針を外して。そう、できるじゃん。


　さて、昼食の続きを・・・・「おじさんっ！針が無くなった。」今度は甥っ子です。

　針はここ。自分で針、付けれるよな。
　「どうやるの？」
　こうしてつまんで、くるくる巻いて、あとは引っ張るだけ。
　「うんっ。できた。これでいいんだ。」


　はぁ、慌しいままの昼食でした。



　やっと自分の竿を出して釣り始めたのですが、やはり今日は風が強い。魚のアタリが、なかなか取れません。友人は、時折ベラやグレっ子を釣り上げています。僕もカサゴやグレっ子を上げていきます。甥っ子一人、釣れず終い。

　気がつくと、日も大分傾いてきました。










　そろそろ帰るぞ、と声を掛けようとしたら、やっと甥っ子の竿に魚が掛かりました。しかも大物です。竿が弓なりに曲がって、中々上がってきません。やっとのコトで上がってきたのは、20ｃｍもあろうかというトラギスの仲間。普通この辺りでは10ｃｍ前後がレギュラーサイズの魚です。


　帰る空気が吹き飛んでしまいました。











　とは言っても、人の子もいるわけで、後は強引に時間を決めて強制終了。それでも二人とも充分満足したみたいで、家に帰るまで興奮した面持ちで喋り続けていました。男の子だなぁ。



　今日の釣果。甥っ子のバケツとその友人のバケツの中には、小魚いっぱい。




　





　家に帰ると、お母さんに嫌な顔されるんだろうなぁ。「面倒臭いもの釣ってきて」って。
　でも、子供としては、誇らしげな釣果だったりするのです。


　また、連れて行かないといけないのかな。期待に満ちた顔で、「ありがとう」と言われてしまいました。